米農家と小売業者 8
食管法では、農家がコメを消費者に直接販売することを認めていません。
Aさん達のコメの産直活動は、明らかに食管法に抵触しています。
それは、Aさん達も十分承知のうえでのことです。
Aさん達は毎年秋に食糧事務所を訪れ、「今年もこういう形でコメを売らせてもらいます」と通告しているのだそうです。
すると、いつもこんな言葉が返ってくるのだそうです。
「あんまり目立つようにやらないでくれよ」。
農協とのトラブルが大きく報道されたあと、Aさんの事務所に食糧事務所の職員があらわれ、「特別栽培米制度」の適用申請を持ちかけてきました。
特別栽培米制度というのは、1987年に新設されたもので、低農薬や有機栽培のコメに限って、生産者が消費者に直接販売することを認めた制度です。
農家がコメの産直を行える唯一の道なのです。
しかし、食糧事務所の承認を得なければならず、細かな申請手続きやコメの保管、発送など煩雑な作業が要求され、しかも様々な制限が加えられていることなどから、実際の取引量はそう増えていません。